いつも当レポートをご愛読いただきありがとうございます。今回は「不動産売却の基本と流れを紹介!注意するべきことも」について触れてみたいと思います。
そこで本記事では、不動産売却の基本的な流れと注意点について詳しく解説します。
不動産売却はどこに依頼する?
不動産を売却する際、主に以下の3つの方法があります。
不動産仲介業者への依頼
最も一般的な方法です。不動産仲介業者(宅地建物取引業者)が売主と買主の仲介役となり、物件の広告や内覧の調整、価格交渉などを行います。専門知識を持つプロが対応するため、安心して取引を進められるでしょう。
ただし、買主が見つかるまでに時間がかかることや、最終的に売り出しより価格が下がる場合があります。
不動産買取業者への売却
買取業者が直接不動産を購入する方法です。査定から売却までの期間が短く、確実に売却できるメリットがあります。
しかし、購入後に不動産会社がリフォームや解体をして再販するため、基本的に市場価格よりも低い価格での取引となります。
不動産オークション会社の利用
オークション形式で売却する方法です。短期間で高値での売却が期待できる一方、成約しない可能性もあります。
また、オークション参加費用がかかることがあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
不動産売却の流れ
ここでは不動産売却における一般的な流れについて解説します。
売却の準備
売却を行うにあたって、まず自分で相場を調べておきましょう。不動産査定により価格を確認できますが、相場を知っておくことで、適正価格で提示されているかを判断できます。
不動産の権利証や固定資産税の納税通知書、測量図や間取り図、登記簿謄本なども準備しておきます。
また、物件の補修や清掃を行い、見栄えを良くすることも大切です。家財道具の整理や不用品の処分も事前に済ませておくと、スムーズに売却手続きを進められるでしょう。
不動産会社の選定
信頼できる不動産会社を選ぶために、複数の会社に相談することをおすすめします。各社の査定額を比較し、その根拠を確認しましょう。また、対応の丁寧さ、実績、提案内容なども総合的に判断して選ぶことをおすすめします。
地域の相場に詳しい地元の不動産会社や、大手不動産会社の特徴を比較検討し、自分のニーズに合った会社を選ぶことが重要です。
オンライン査定と実地査定の両方を活用するのもよいでしょう。
売却価格の決定
適正価格の設定は、市場動向と自身の希望を考慮して行います。高すぎる価格設定は売却期間の長期化につながる可能性があります。
一方で、安すぎる価格設定は損失につながります。不動産会社のアドバイスを参考にしつつ、慎重に決定しましょう。
近隣の類似物件の売却事例や、現在販売中の物件価格なども参考になります。季節や経済状況による市場の変動も考慮に入れる必要があります。
媒介契約の締結
不動産会社と媒介契約を結びます。契約には一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約がありますが、多くの場合は専任媒介契約を結ぶことになります。一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
複数社への依頼 | ○ | × | × |
自己発見取引 (自身で買主を探すこと) | ○ | ○ | × |
契約期間 | 制限なし | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
依頼主への報告 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
レインズへの登録 | 義務なし | あり (契約締結から7日以内) | あり (契約締結から5日以内) |
契約内容、特に手数料や契約期間については十分に確認しましょう。
専任媒介契約の場合、指定流通機構(レインズ)への登録が義務付けられており、より多くの不動産業者の目に触れやすくなります。
契約期間は通常3ヶ月程度ですが、状況に応じて設定できます。
物件の広告と内覧
不動産会社が物件の広告を行い、購入希望者からの問い合わせに対応します。内覧の際は、清掃や整理整頓を徹底し、よい印象を与えられるよう心がけましょう。
また、間取り図や周辺環境の情報なども詳細に提供すると、より多くの問い合わせが期待できます。
購入希望者との交渉
購入希望者が現れたら、価格や条件の交渉を行います。条件が整ったら、買主と売買契約を締結します。交渉の際は、価格だけでなく、決済日や引き渡し条件なども重要な要素となります。
買主の資金計画や住宅ローンの審査状況なども確認し、スムーズに取引を進められる相手であるかどうかを見極めましょう。
決済と引き渡し
最終的な代金の受け渡しと物件の引き渡しを行います。この際、残債のある住宅ローンの精算や、引っ越し、不用品の処分なども忘れずに行いましょう。決済日には、不動産会社の立ち会いのもと、最終的な物件の確認と鍵の引き渡しが行われます。
また、水道、電気、ガスなどの契約解約や名義変更の手続きも必要です。引き渡し後の確定申告の準備も忘れずに行いましょう。
スムーズな引き渡しは、買主との良好な関係構築にもつながります。
不動産売却に関する注意点
不動産売却に関する注意点として以下のことが挙げられます。
税金に関する注意点
不動産を売却すると、譲渡所得税と住民税がかかります。ただし、居住用財産を売却する場合、3,000万円の特別控除が適用される可能性があるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
また、売却利益を次の住宅購入に充てる場合、税金の課税繰り延べができる特例もあります。税金対策は非常に複雑であるため、できれば税理士等の専門家に相談するのがおすすめです。
相続時の不動産売却
相続した不動産を売却する場合、相続税と譲渡所得税の両方に注意が必要です。また、相続登記を済ませていないと売却手続きに支障が出る可能性があるため、早めに相続登記を行うようにしましょう。
離婚時の不動産売却
不動産が共有財産か特有財産かを確認する必要があります。共有財産の場合は双方の合意が必要となります。また、売却のタイミングも重要です。
離婚協議がスムーズに進まなかったり、財産分与の権利が失効したりする可能性があるため、できるだけ早めに売却を進めることが望ましいでしょう。
離婚時の不動産売却は専門性が高く注意点も多いため、信頼できる不動産会社に相談し、適切なサポートを受けることをおすすめします。
住宅ローン残債がある場合
住宅ローンの残債がある場合、売却代金でローンを完済する必要があります。売却価格がローン残債を下回る場合は、差額を自己資金で補う必要があるため、事前に試算しておくことが大切です。
不動産売却を検討している方へ
不動産売却は、準備から完了まで多くのステップがあり、それぞれの段階で適切な判断と行動が求められます。特に、価格設定や税金対策、法的手続きなどは専門的な知識が必要となる部分も多いため、慎重に進める必要があるでしょう。
沖田不動産鑑定士・税理士・行政司法書士事務所では、現在進行中の案件に限らず、既に申告を済まされた案件についてのご相談も受け付けております。お電話のほか、メールでのご相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
>>沖田不動産鑑定士・税理士・行政書士事務所について詳しく知りたい方はこちら