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自宅や空き家の譲渡所得の特例について解説!適用要件・手続きなど

いつも当レポートをご愛読いただきありがとうございます。今回は「自宅や空き家の譲渡所得の特例について解説!適用要件・手続きなど」について触れてみたいと思います。

今回の記事では、譲渡所得の特例のうち「居住用財産の3,000万円特別控除」と「空き家特例」の要件や特徴について紹介します。

自宅や空き家の譲渡所得について知りたい方や、不動産売却を検討されている方はぜひご覧ください。

 

譲渡所得とは?

譲渡所得とは?

譲渡所得とは、資産を譲渡したときにかかる税金のことです。

とはいえ、すべての物が対象となるのではなく、一般的には自宅などの土地や建物、株式、ゴルフ会員権など売買できる経済的な価値があるものが該当します。

譲渡所得は所得税の対象となり、譲渡によって所得を得た場合は確定申告をしなければなりません。

また、譲渡所得は以下の計算式によって求められます。

譲渡所得=収入金額-(取得費-譲渡費用)-特別控除額

ここでいう「収入金額」とは譲渡した際の売却価格のことをいい、「取得費」は購入時の価格や必要になった費用、「譲渡費用」は売却にかかった費用のことです。

また、特別控除額は一定の要件を満たすことによって適用されます。

マイホーム売却時の3,000万円の特別控除や、軽減税率の特例などが挙げられますが、ここでは代表的な特例について取り上げてみました。

出典:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

 

【自宅】譲渡所得の特例

【自宅】譲渡所得の特例

自宅等、居住していた不動産を売却する際には、要件を満たすことで「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用できます。

譲渡所得から最高で3,000万円を控除できるため、譲渡所得にかかる税金を大きく節税できるでしょう。

出典:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁

 

適用要件

自宅などの居住用財産の3,000万円の特別控除を適用するためには、以下のような要件を満たさなければなりません。

・自分が住んでいる家屋、または家屋とあわせて敷地や借地権を売却すること
・家屋を取り壊していた場合、譲渡契約までの期間で土地を他の用途に供してないこと
・売却した年、その前年および前々年にマイホームの買換特例などを利用していないこと
・売り手と買い手の関係性が親と子、あるいは夫婦など生計を1にする親族でないこと
・別荘など娯楽を目的として所有しているわけではないこと
・一時的な居住を目的としていないこと


各要件について、詳しくは先にお伝えした国税庁のサイトを参考にしてください。

 

手続き方法

手続きについては、住用財産の売却によって3,000万円の特別控除を受けるには、書類を準備する必要があり、手続きは自宅の不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に、確定申告を行わなければなりません。

申請に必要な書類は主に以下の通りです。

・確定申告書/譲渡所得の内訳表
・戸籍の附票
・譲渡した土地および建物の全部事項証明書
・売却時の書類の写し
・取得時の書類の写し
・住民票の写しあるいはマイナンバー


また、自宅の譲渡所得が3,000万円以下であれば、特別控除の適用によって税金がかかることはない一方、確定申告は必要です。 確定申告をしなければこの控除を利用できない点に注意しましょう。

用意する書類が多岐にわたることから、自宅の売却に加え、控除申請の手続きを進めることに不安がある方は、専門家に相談することがおすすめです。

 

【空き家】譲渡所得の特例

【空き家】譲渡所得の特例

相続によって空き家を取得し、被相続人が死亡した日以後3年を経過した日の属する年の12月31日までに譲渡した場合、空き家を譲渡して得た利益から3,000万円を控除できます。

これを「被相続人の居住用財産(空き家)にかかる譲渡所得の特別控除の特例」といい、「空き家特例」とも呼ばれます。

出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

 

適用要件

まず、空き家特例に該当する「空き家」とは以下の要件を全て満たす必要があります。

・昭和56年5月31日よりも前に建築されたこと
・区分所有建物登記がされている物件ではないこと
・相続開始の直前において、被相続人以外に居住者がいなかったこと
・(敷地について)相続開始直前において、被相続人居住用家屋の敷地として使われていた土地であること

上記、「空き家」としての要件を満たしたうえで、下記に掲げる事項を満たしてようやく空き家特例の対象となります。

・相続時から譲渡時まで事業用、貸付用および居住用に利用されていないこと
・譲渡価額が1億円未満であること
・譲渡時に家屋を一定の耐震基準に適合させるか、取り壊すこと
・空き家等の売却先が親子や夫婦などの特別の関係がある人ではないこと
・相続開始から3年を経過した年の12月31日までに売ること

各要件について、詳しくは先にお伝えした国税庁のサイトを参考にしてください。

 

手続き方法

空き家の譲渡取得の特例を受けるために必要な手続きは、以下の流れで進みます。

管轄の市区町村に「被相続人居住用家屋等確認書」の交付申請を行う
被相続人居住用家屋等確認書の交付
被相続人居住用家屋等確認書などの必要書書類と共に、確定申告を行う

なお、ここで必要となる「被相続居住用家屋等確認書」は、空き家の所在地の市区町村に申請することでもらえますが、次の必要書類を提出しなければなりません。
なお、市区町村によって必要書類が異なるので、事前に確認するとよいでしょう。

・被相続人の除籍住民票の写し
・被相続人居住用家屋の解体時または譲渡時における相続人全員分の住民票の写し
・対象物件の売買契約書の写しなど
・相続から譲渡まで空き家であったことがわかる書類
・取り壊しから譲渡までの敷地の使用状況がわかる写真など
・平成31年4月1日以降の譲渡で、被相続人が老人ホームに入居していた場合、次の3点が必要。①要介護認定などが確認できる書類②老人ホームなどの入居契約書の写し③老人ホームなどの外出・外泊記録など

上記の書類が手元に揃うまでに一定の時間がかかるため、取得する際は余裕を持って申請することをおすすめします。
確定申告の受付が始まる2月中旬までには、準備を終えておく必要がある点に注意が必要です。

 

生前譲渡がおすすめの理由

生前譲渡がおすすめの理由

「居住用財産の3,000万円特別控除」と「空き家特例」の要件や特徴について、それぞれお伝えしました。
このうち、「居住用財産の3,000万円特別控除」では生前、住まなくなってから3年以内に自宅(所有期間10年超)を譲渡すれば、3,000万円の特別控除が適用されます。それによって、自宅の相続における所得税および住民税に対して、軽減税率の適用を受けることが可能です。

一方、「空き家特例」では同じく3,000万円の特別控除を受けられますが、そのためには厳しい適用要件を全てクリアしなければなりません。そのため、基本的には生前に譲渡しておく方が有利だといえるでしょう。

 

自宅や空き家の譲渡所得の特例について

自宅や空き家の譲渡所得の特例について

今回の記事では、譲渡所得の特例のうち自宅などの「居住用財産の3,000万円特別控除」と「空き家特例」の要件や、特徴について紹介しました。自宅や空き家の譲渡所得の特例を利用することで、不動産売却時の税金を抑えることができます。

また、それぞれの特例を利用する際は確定申告を済ませる必要があるため、期限に間に合うよう計画的に準備を進めましょう。

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