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相続税の税務調査はどのように実施される?対象になりやすいケースとは?

いつも当レポートをご愛読いただきありがとうございます。今回は「相続税の税務調査はどのように実施される?対象になりやすいケースとは?」について触れてみたいと思います。

相続税は、亡くなった方の財産を相続した場合に課される税金です。しかし、申告内容に不備があると、国税当局から税務調査を受ける可能性があります。近年、相続税の税務調査件数が増加傾向にあり、国税当局が適正な課税を行うために調査を強化していることが伺い知れます。

そこで、本記事では相続税の税務調査の実態と対策について、詳しく解説します。

相続税の税務調査の件数が増えている?

相続税の税務調査の件数が増えている? 近年、相続税の税務調査件数が増加傾向にあります。国税庁の統計によると、令和3事務年度(令和3年7月から令和4年6月)の実地調査した件数は6,317件で、うち申告漏れ5,532件となっており、申告漏れの割合は87.6%となっています(1件あたりの申告漏れ課税価格は3,530万円)。

また、コロナ禍の影響で実地調査の件数は減少傾向にあるものの、申告の是正件数はコロナ禍前と比べて大幅に増加しているのも特徴の1つです。相続税は、被相続人の財産評価額から基礎控除額を差し引いた課税価格に対して累進課税が行われるため、相続財産の正確な評価が欠かせません。そのため、国税当局は、適正な課税を行うために税務調査を実施しています。

参考:令和3事務年度における相続税の調査等の状況

最も多い調査対象

令和3事務年度の相続人の税務調査における申告漏れ財産のうち、最も割合が多いのは現金・預貯金等(32.2%)です。中でも名義預金(借名預金)は常に問題になり、修正申告の原因として最も多くなっています。

贈与税の申告をした場合であっても、贈与契約が成立しない贈与は贈与そのものがなかったものとみなされ、相続財産の申告漏れとして税務調査の対象となる恐れがある点に注意しましょう。

相続税の税務調査はどのように実施される?

相続税の税務調査はどのように実施される?

国税当局が、申告内容に疑義があると判断した場合、調査に着手します。着手のきっかけとして、国税当局が保有する情報との食い違いや、第三者からの情報提供などが考えられます。なお、相続税の税務調査は、主に以下の手順で行われます。

1.税務署からの事前通知
2.調査実施日の日程調整
3.必要書類を揃える
4.調査当日
5.税務署の指摘に対して回答をする
6.調査結果が報告される


まず、税務調査を行う旨の事前連絡が税務署から届きます。なお、ここでの通知は義務ではなく、税理士が申告書に税務代理権限証書を添付して申告していた場合は、税理士に通知が入ります。

通知後、税務署と調査実施日の日程調整を行います。調査実施日には極力、税理士に立ち会ってもらうことをおすすめします。税務調査にあたっては必要書類を用意しなければならないほか、当日聞かれるであろう事柄に対する回答を用意しておかなければなりません。個人ですべてに対応することは困難であるため、サポートしてくれる税理士を探しておくと安心でしょう。

税務調査は多くの場合2日程度にわたって行われ、調査の後も税務署からの質問や指摘に答えなければなりません。この際も、顧問税理士がいれば自分に代わって対応してもらうことができます。なお、調査結果が出るまでに約1ヶ月以上の期間がかかるケースがほとんどです。

調査の結果、申告内容に誤りが発覚した場合、国税当局から修正申告や更正の指摘を受けることになります。場合によっては、過少申告加算税が課される可能性もある点に注意しましょう。

相続税の税務調査の対象になりやすいケース

相続税の税務調査の対象になりやすいケース 相続税の税務対象になりやすいケースとして、以下が挙げられます。

・相続財産評価額が高額である場合
・税理士に相談せずに申告した場合
・申告内容に不備や矛盾がある場合
・第三者から国税当局に情報提供があった場合
・過去に税務調査の指摘歴がある場合


上記のうち、特に相続財産の総額が高額である場合には、注意が必要です。

不動産や有価証券が相続財産に含まれる場合、「数量は合っているか」「評価額は適正か」といった観点で厳しくチェックされます。宝石や貴金属類をはじめ、美術品などは評価を間違えているケースが多く、相続税の申告においてミスが散見されるため注意が必要です。

また、税理士に依頼せずに申告を行ったり、申告内容に不備や矛盾がある場合も税務調査の対象となるリスクが高くなります。

利用者が増えている「書面添付制度」について

利用者が増えている「書面添付制度」について

国税当局では、納税者の手続き負担を軽減するために「書面添付制度」を設けています。書面添付制度は税理士等が作成した申告書について、どのように調製されたかをあきらかにした書面を税理士等自らが作成し、添付する制度のことです。

書面添付が行われている申告書に対し、税務調査が行われる場合には原則として、調査前に税務代理を行う税理士等に対し、書面に記載された事項について意見聴取が行われることになります。

とはいえ、同制度を利用する人は全体的に見てまだ少数であり、書面添付がない場合の税務調査は相続人に対して通知されます。税理士に相続税の申告相談をした際は、わからない点についてきちんと相談し、適切なアドバイスをもらうことを心がけましょう。

相続税の税務調査について

相続税の税務調査について

近年、相続税の税務調査件数は増加傾向にあり、適正な課税を行うために国税当局が力を入れている分野の一つでもあります。税務調査の対象になりやすいケースを理解し、準備を怠らないことが欠かせません。また、税理士に相談するなど専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。本記事で紹介した「書面添付制度」の活用も視野に入れて、スムーズに申告を終えることが大切です。

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